国立慶州博物館から自転車で
10分ほどKORAILの線路沿いを走ります。のどかな夕暮れの街を走るのも乙な物です。
すると何となくあの辺りかな?と畑が広がる中に何台かの自動車が停車してました。線路を横切って細い道を進むと,皇竜寺址がありました。あまりにも周りに溶け込んでいます。
史跡第6号の皇竜寺址があります。ここは新羅24代の真興王
14年(553)に新しい宮廷を作らせたが,そこに皇竜が現れたと言う話を聞いてお寺に造り直し,皇竜寺と名付け善徳女王
13年(645)に完成したということです。4代の王93年という長い歳月をかけた工事でした。
百済の技術者が建造した九重木塔と高さが
1尺6丈ある金銅丈六像があったそうで,この九重木塔は唐からの留学を終えて帰国した僧,慈蔵律師の要請により建造されました。
9つの層になっているのは,新羅の周辺にある9つの国を象徴し,塔を建てることによって外敵の侵攻を防げることができると信じられていたからです。「新羅の地が仏様が住む地」という新羅人の仏教観を表しています。
しかし,
1238年にモンゴル軍の侵攻で,九重木塔をはじめ伽藍も全て火に包まれて焼失してしまいましたので,その址だけが残っています。
当時は総面積2万余坪の東洋最大の寺院だったということです。
この九重木塔を再建するというプロジェクトはあるそうですが,現代の技術をもってしても実現できていません(いつか問題はクリアされるでしょうね)。
時間がゆったりと流れ,一地方の田舎という感じののどかな場所ですが,昔は栄華を極めていた所だったのでしょう。
2009-03-07(14:40:56) - 韓国の観光 - msm - No comments - TrackBack(No Trackbacks)
雁鴨池から自転車ですぐの所に国立慶州博物館があります。
ここはその名のとおり博物館なので屋根もありますが,敷地内に展示されている史跡も多くありました。
博物館はとても広いのでじっくり見ようと思えば半日でも時間がかかりそうです。毎月第一日曜日は入場料が無料です(大人
1000ウォン=約60円)。荷物がある方はコインロッカーもありますので,預けて身軽になって見学されるのがいいでしょう。
入場してすぐの所には,野外展示が見えます。聖徳大王の神鐘
がそうです。新羅第34代聖徳大王の冥福を祈るために作り始められましたが,王の息子である景徳王から孫の恵恭王に引き継がれて造られました。鋳造する時に一人の娘を銅の中へ捧げた言われ,その娘が「エミレ(お母さん)」と泣いたという悲しい伝説があります。その伝説からこの鐘は別名「エミレの鐘』とも言われ,鐘を打つとエミレと響いたということです。この鐘は国宝第29号に指定されています。
建物がいくつかに分かれています。
考古館では先史・原三国室(青銅器,鉄器)や古墳室(
1926年スウェーデンの皇太子が発掘に参加したときに出土した金冠が飾られ,天馬塚の内部にあった金冠も展示されています),菊隠記念室(故イ・ヤンソン博士の素晴らしい土器などのコレクションが666点展示されています)があります。
考古館(本館)では仏教美術室(寺院跡から出土した文化財),歴史資料室(床下に発掘現場を再現した模型や王宮を復元したもの),彫刻室(寺から発掘された国宝金銅薬師如来立像など),金属工芸室,皇龍寺室(後にこのブログで紹介する予定の九層木塔があった寺の復元模型や出土品)があります。
雁鴨池館ではここへ来る前に見てきた雁鴨池から美術品が展示されています。935年に新羅滅亡で破壊され美術品が池に投げ込まれたといいます。発掘調査は
1970年代になってからで,3万点以上の遺物が出土されたそうです(金属工芸品,木製品,仏像など)。
新羅
1000年の歴史を凝縮して見ることができる博物館へ,是非時間をかけてご覧頂きたいと思います。
2009-02-16(11:09:51) - 韓国の観光 - msm - No comments - TrackBack(No Trackbacks)
石氷庫から自転車であっという間に雁鴨池に到着しました。
ここは新羅の文武王が674年に三国統一を記念して造らせた離宮跡です。当時は今の4倍の規模であったそうで,国賓を接待する外交と宴会などで華やいだ名残を感じさせます。
建物は臨海殿(イメジョン)と言います。この池はもとは月池と呼ばれていましたが,朝鮮時代になって廃墟となったここへ雁や鴨が飛んできたことから,雁鴨池(アナプチ)といわれるようになりました。
ここは今まで見て回ったどの場所より人が多かったです。美しい庭園と新羅の時代を感じたい方にはもってこいの場所です。
入ってすぐの所は今は何もない広い空間が広がっていてその奥に臨海殿が見えるのですが,ここにも何かの建物があったみたいで,その礎だけが見えました。
夜間は庭園がライトアップされているということですが,とても幻想的でしょうね。天気が良く月が出ていたらロマンティックな気分になれるでしょう。
史跡第
18号
2009-02-03(21:20:26) - 韓国の観光 - msm - No comments - TrackBack(No Trackbacks)
とりあえず腹ごしらえをして,また自転車に乗り約
1分,小高い丘のような所へ行きます(着た道を鶏林へ戻り,瞻星台とは反対方向です)。すぐに坂道になっているので自転車を降りて押し上がります。舗装されていないハイキング道みたいです。登りきってしまうと,また自転車で走ります。この間5分くらいでしょうか?
見えてきたのは地下道の入口のような場所。ここが石氷庫(ソビンゴ)です。
新羅の城跡にある朝鮮時代の冷蔵庫です。
ここには西暦
10
1年に作られた半月城という城がありました。
氷が貴重な時代にここで保管して大切に利用していたようです。この石氷庫は
18世紀に作られたものだそうです。
天井に通気口が3箇所あり,内部は奥へ行くほど天井が下がっています。
中へ入りたいところですが,柵があって覗くだけになります。全体が見渡せます。
今は何も置いてありませんから,中からひんやりとした冷気が来ることはありません。
入場料もなく見ていくことができます。
ここが氷を保存していた場所ということで?アイスクリーム屋さんがありました。ここで食べると格別なお味がするのでしょうか?
興味のある方は是非お試しください。
石氷庫は宝物66号に指定された文化財です。
この辺りは半月城という城があったところなのですが,今まだ復元はされていません。広場のようになっているだけです(史跡
16号)。半月城にまつわる伝説もあるそうです。
2009-02-01(20:08:10) - 韓国の観光 - msm - No comments - TrackBack(No Trackbacks)
大陵苑の見学の次は,車が入れないようになっている自転車と歩行者が通行できる散策路をほんの
1,2分走れば見えてくる瞻星台へと向かいます。
ポツンと建っている石積みの煙突?みたいなのですが・・・。
実はこれ,東洋一古い天文台なんだそうです!7世紀の初め頃に造られました。底の水鏡と窓からの光などで天文観測を行なって,星占いで国事や農事を決めたと考えられています。362個の石で造られています(“36
1個半”とする紹介もあり)。
高さ9.
108メートル,下部直径4.93メートル,上部直径2.85メートルです。
入場料は300ウォン(約2
1円)なんですが,外からも見えるのですね~。しかし柵の木々に囲まれて見えにくい事は確かなので,入場料を支払って中へ入りましょう。
国宝第3
1号に指定されています(
1962年)。
1300年前の空も今の空と同じだったのでしょうか?
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2009-01-18(14:53:24) - 韓国の観光 - msm - No comments - TrackBack(No Trackbacks)
市外バスターミナルから自転車で
10分ほどで到着する(おそらく一番近い)史跡をご紹介します。
大陵苑(テルンウォン)という古墳群を公園の中に収めた所があります。
入口から松林をゆっくり歩きながら行くと,左右にこんもりとお椀を伏せて置いたような古墳が次々見えて来ます。芝がきれいに覆っています。実に23基あるそうです。
歩いていくと一番奥に,内部が見学できるようになった天馬塚(チョンマチョン)があります。中はドーム状になっていて,古墳が見つかった当時の様子が展示されていますし,若干の副葬品も飾られています。
天馬と呼ばれるようになったのは,天馬を描いた馬の泥除けが見つかったからだそうです。この泥除けは白樺の皮で作られたもので,翼のある白馬が空を駆けている姿が描かれていました。
ここでは
1万2千もの副葬品が見つかっています。出土されたそれらは国立慶州博物館に展示されています。
少し暖かくなって来たら是非走ってみてほしいです。地方都市ならではの穏やかな時間が流れています。
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2009-01-17(22:55:12) - 韓国の観光 - msm - No comments - TrackBack(No Trackbacks)
韓国第2の都市,釜山の老圃洞(ノボドン)から高速バスあるいは市外バス(所要時間は同じ)に乗ると約
1時間で慶州(キョンジュ)に到着します。
慶州は「屋根のない博物館」と云われています。日本で例えると古都・奈良県のような所でしょうか?
慶州は朝鮮半島にあった新羅(シーラ)の都でした。それゆえいろいろな史跡が残っています。
ユネスコ世界遺産に登録されている地域です。
韓国の学校の修学旅行でよく訪れる場所ですし,人気のある観光地です。
ユネスコ歴史遺産に登録されている石窟岩や仏国寺は街中からは少し離れているものの,バスで行くことができます。
慶州の街中はそんなに大きくないので,自転車で回って見学することができます。循環バスが各史跡前を走っているのでバスもお勧めです。
レンタサイクルはバスターミナルにあり,
1日(
18時まで)7000ウォン(約420円)で借りられます(子どもとの2人乗り自転車や,マウンテンバイク風もあります)。いい運動にもなりますしね(^^)横には観光案内所があるので地図を手に入れたり,観光の相談をするといいでしょう(日本語を話す方がいます)。
高い建物もない大都会とは違った古きよき時代にタイムスリップしてみませんか?
1日で見て回れますが,
1泊してゆっくり過ごすのもいいですよ。
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2009-01-11(21:18:56) - 韓国の観光 - msm - No comments - TrackBack(No Trackbacks)
龍頭山公園の奥に釜山タワーがそびえています。
タワーの高さは
120メートルとのこと。ソウルタワー(370メートル)に比べたら,そう高くありません。
その分地上の様子が近くに見えます。
天気が良くて遠くまで見渡せました。
展望台までは一気にエレベーターで上がります。到着したらそこは喫茶コーナーのある展望台になっています。もう一つ上階へは階段で上がります。
陽の光がサンサンとふり注ぐ展望台は静かに時が流れているようでした。規模が小さいので,ぐるっと1周しながら見て回るのに時間はかかりませんが,海が見える風景をしばし見つめていました。
2008-12-07(11:16:28) - 韓国の観光 - msm - No comments - TrackBack(No Trackbacks)
釜山の観光名所として有名な公園です。シティーツアーバスの停留所もあります。
旅行社の団体旅行では必ず訪れるコースになっています。
行き方ですが,(釜山の中心地西面(ソミョン)から地下鉄で
1号線で
15分ほどの)南浦洞(ナムポドン)駅
1番出口から歩きます。
山側へ歩くとすぐに整備されたばかりの光復路に出ます。そこから公園のある高台まで,なんとエスカレーターが設置されています!このエスカレーターに乗り,何度か乗り継ぐようにして(エスカレーターが途中で切れていますが,数歩でまた続きのエスカレーターに乗る)昇ると公園の下へ出てきます。
注・下りはありませんので,来た道を戻るにはエスカレーターの両側にある階段を降ります。
そこからさらに階段を上ると龍頭山公園という石碑や,日本の豊臣秀吉軍を破ったという英雄・李舜臣将軍の立像,花時計などが迎えてくれます。
見晴らしがいいです。公園にはたくさんのお年寄りがくつろいでいる姿をあちこちで見かけます。またハトが多いです。
そのまま直進するとタワーの下に着くので,階段で上がって入場券売り場へ行きます。
タワーへ昇るだけなら3500ウォン(約250円)です。世界民族楽器博物館もタワーの下にあり一緒に入場するなら割引があります。
この公園は古くからあり,
1678年から
1945年まで日本人居留地だった場所だそうです。
この辺り一帯の再開発の予定があったようですが計画は進んでいません。
2008-11-30(11:50:56) - 韓国の観光 - msm - No comments - TrackBack(No Trackbacks)
釜山もソウルと同じく切符と交通カードが使えます。
ソウルの交通カードは「T-MONEYカード」「CITY PASSカード」等と言われていますが,釜山では「ハナロカード」と言います。
やがて
1つのカードでソウルも釜山も利用できる日がくると言われていますが,その日がいつなのかはっきりしません。
何度もリピートするなら交通カードを買って(2000ウォン・約
120円)使うのが便利です。一々切符を買うのに並ばなくてもいいし,カード利用時は割引があります。例えば
1000ウォン(約60円)区間では900ウォンになる等,何度も乗車する方は必携です。
さて,ソウルと釜山の自動改札機がやはり違っていました。ソウルの地下鉄ではカードを当てる場所は一番トップにあり,荷物を持っていても,わざわざ手を機械の真上に挙げてタッチする必要がありました。同じく切符を挿入する時もです。
釜山の地下鉄では人間工学に基づいて(?),挿入場所が真上だはなく,少し下にありスムーズに移動できる感じでした(切符の取り出し口は真上にある)。
ソウルではこのような型は見たことがありません。いつ設置されたのかわかりませんが,ちょっとしたことで使い易くなるものですね。
釜山に行かれたら是非地下鉄で移動してみて下さい。日本と同じような感覚で利用できるので便利です。漢字表記もありますし,駅に全て番号が付いているので,よく見て憶えておけば間違いもありません。
2008-11-24(22:59:35) - 韓国の観光 - msm - No comments - TrackBack(No Trackbacks)
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