丹陽は韓国の中心にある忠清北道(チュンチョンプクド・日本でいう○○県というような地域の名称)の一番東に位置しています。
日本の山梨県と姉妹都市だそうです(どちらも周りを山に囲まれているという共通点がありますね)。
日本の山に比べて韓国の山は花崗岩などの岩が多く、稜線も変化に富んでいて険しい表情を持つ所が多いです。
嶋潭三峰へは清涼里(チョンヤンニ)駅から南下して行きます。韓国の新幹線KTXには乗りませんから、のんびり旅情あふれる汽車で行くことになります(丹陽駅は清涼里駅から約
180キロ・移動のバスから見えましたがきれいな駅でした)。
忠州湖クルーズで眺めた「玉筍峰(オクスンボン)」、「亀潭峰(クダンボン)」などの景勝は「丹陽八景」と呼ばれています。その八景の中で特に有名なのが「嶋潭三峰」で南漢江(ナムハンガン)の清流にある岩峰が並んでいます。「将軍峰」、「妾峰」、「妻峰」と呼ばれていて、ユニークな伝説があります。
その1 昔、仲の良い夫婦がいたが、こどもができなかった。それで愛人を持った。愛人がいい気になってきて、妻はすっかり機嫌を損ねてしまった。喧嘩ばかりする3人に神様は「静かにしなさい」というように3人を岩にしてしまった。岩を見るとなるほどそう見えなくもないです。
その2 この岩峰が江原道(カンウォンド)から流れてきたという。
丹陽の人たちはよほどのものを預かった気になり、江原道に税金を払っていた。しかし、財政が苦しくなり丹陽の人たちも困ってしまった。そこに知恵のある少年が現れ、江原道の役人に「岩をお返しするので、持って帰ってください。」と話したという。当然そんな岩を持って帰ることはできなくて役人も断念したという。
将軍峰には六角亭があり、観光船に乗ればこの亭に登ることができるそうです。ここの六角亭では「
安東」で紹介した有名な儒者・李退渓(イ・テェゲ)が詩を詠んでいます。
「山は紅葉で紅く 水は玉のごとく澄み 三峰は夕陽に染まる 月光の下に金色の波寄する」(原文は漢文)
夕陽、月光に照らされる嶋潭三峰、素敵だと思います。紅葉の時期に訪れてみたくなりませんか?(夜はライトアップされているようです)
2006-05-17(23:09:04) - 韓国の風景 - msm - TrackBack(No Trackbacks)